謄写印刷器材店のPR誌から覗いた戦前・戦後史
昭和30年(1955年)

全国組織結成大会の模様を報じる『昭和堂月報』
この年の業界のビッグニュースは、JAGRAの前身にあたる全日本謄写印刷業連盟(日謄連)の結成です。前年夏の中国大会、四国大会、九州大会に続き、 この年も東北大会、北海道大会、長野大会、北陸大会が6〜7月に開かれ、これらの準備を経て、8月20日、箱根小湧園に各地業者団体の代表など170余名が参加して日謄連が結成されました。
初代会長は京成社の勝呂泰尚(先代)氏です。事務局は東京組合と同じ昭和謄写堂内に置かれ、竹内三二郎氏が初代事務局長に就任しました。

この年、『月報』はNo.62からNo.69まで8号が出ました。従来に比べると順技術的な記事は減り、その中でも、機械的・化学的手法の導入に話題が移っています。
また、タイプ孔版の登場を受けて、謄写印刷の将来性に関する話題が増え、
『昭和堂月報』No.68タイトル
たとえば超一流技術家と目された小泉与吉氏は、《謄写人は、活字孔版などに目をくれてはならない》(No.63)と禁欲的な論陣を張っています。
また、タイプ孔版の登場をいち早く評価した若山八十氏氏は、『日本孔版作品年鑑』(昭和堂発行)の収録作品を批評しつつ、実用性と芸術性の観点から長文の論考を発表しています(No.67〜69)。
第T部 戦前編
昭和8年〜12年

第U部 戦後編
昭和23年(1948)
昭和24年(1949)
昭和25年(1950)
昭和26年(1951)
昭和27年(1952)
昭和28年(1953)
昭和29年(1954)
昭和30年(1955)
昭和31年(1956)
昭和32年(1957)
昭和33年(1958)
昭和34年(1959)
昭和35年(1960)

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■この年
1月、帝劇でシネラマ初公開。
5月、東京都砂川町で立川基地拡張反対の大会開開催、各地に基地反対運動広がる。
5月、国鉄宇高連絡船「紫雲丸」が沈没、死者168。
8月、全日本謄写印刷業連盟結成。
8月、第1回原水爆禁止世界大会が広島で開催。
8月、東京通信工業(現ソニー)がトランジスターラジオを発売。
11月、保守合同がなって自由民主党結成。
この年、神武景気はじまる(32年中頃まで)