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「技術トピックス」目次


本格化するオンデマンド出版


印刷業界最大手の大日本印刷、凸版印刷、そして流通面の最大手紀伊国屋書店が、そろってオンデマンド出版サービスに名乗りをあげた99年12月から、ちょうど3年がたちました。
その後の動きを振り返ると、オンデマンド出版が社会的ニュースになるような機会は減っていますが、個々には着実な経過がうかがえます。「オンデマンド」という言葉も、印刷・出版界だけでなく、広く一般のサービスに使われるようになってきました。
特殊な出版形態と見られたオンデマンド出版でしたが、今後は単なる出版の一形態として定着して行くのではないでしょうか。

オンデマンド出版の現状を伝えるウェブサイトをいくつか拾ってみました(「SHOWA NEWS」No.94の記事を増補)。当サイト内の既出記事「動き出したオンデマンド方式 ―― 小部数出版の期待を担って」とあわせてご覧ください。

・BookPark
コンテンツワークス(講談社、小学館、富士ゼロックス、マイクロソフトの共同出資)が運営するオンデマンド本、電子本の総合サービス。論文集のカスタマイズからSF、古典文学まで、幅広いラインアップですでに多くの実績を重ね、ウェブサイトもにぎやかに運営されている。
たとえば、コンテンツのひとつ向現は、作家・村上龍のオンデマンド出版サービスサイト。ユーザーは、村上作品を組み合わせて、自分だけの短編集を作ることができる。
また、マンガ専門のコミックパークを運営。過去の名作・人気作を復刻している。

・ON DEMAND「万能書店」
ウェブサイトでの販売に特化したオンデマンド出版サービス。凸版印刷とトーハンの共同出資する(株)デジタルパブリッシングサービスが運営。品ぞろえが年内に3000タイトルに達する。
凸版印刷の単独運営サイトに、電子配信(ウェブマガジンとダウンロード販売)専門のBitway-booksがある。

・ebook-print.com
・ebook-salon.com
コニカビジネスマシンを中心に住友金属システムソリューションズなどが参加して、昨年スタートしたオンデマンド出版と電子ブックのサービス。マスコミへの露出やウェブサイトの動きは地味だが、各地の書店やコンテンツ所持者との提携を進めている。

・TRANSART ONLINE SHOP
大日本印刷の子会社トランスアートが運営するオンデマンド出版サイト。文化人や大学との連携で、文化活動としても注目される。
オンデマンド出版による人文系叢書リキエスタは、リキエスタの会(大日本印刷、「本とコンピュータ」編集部、岩波書店、晶文社、筑摩書房、白水社、みすず書房、平凡社の8者で構成)が運営。

・吹奏楽譜オンデマンド出版・第1弾
ヤマハミュージックメディアが運営する楽譜のオンデマンド出版サービス。価格は1冊1万円以上で、納期も3〜4週間と長いが、確実に売れるものをラインアップ。

・オンデマンド出版
自費出版ネットワークが運営する自費出版の情報サイト。

・BOOK-ING
ブッキング(秋田書店、岩波書店、化学同人、学習研究社、角川書店、河出書房新社、勁草書房、光文社、三修社、集英社、主婦と生活社、主婦の友社、小学館、創元社、中央経済社、徳間書店、白水社、博友社、二見書房、文藝春秋、平凡社、マガジンハウス、みすず書房、メディアワークス、森北出版、未來社、有紀書房、有斐閣、雄山閣出版、日本出版販売が出資)の運営する印刷本と電子本の制作・販売。あわせて復刊ドットコムを運営し、ウェブサイトで復刊希望を募って、出版社と交渉するユニークな活動も展開。

・MacWIRE-D:オンデマンドプリントの現在を見る〜オンデマンドショーレポート〜
ニュースサイト。4月に開かれたオンデマンドショー2002のレポート。

・What's New
最も早期に学術書のオンデマンド出版を開始した紀伊国屋書店のニュースリリース。

(02.11.28)


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