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「ガリ版の灯」が原稿募集中
ガリ版の灯を守る会(三条杜夫燈台長、安藤信義燈台守)発行の雑誌「ガリ版の灯」が原稿募集中です。テーマは「20世紀のノスタルジア」、締め切りは来年1月31日です。その他、お問い合わせは下記へ。
〒673-0872 兵庫県明石市大蔵町26-2 「アンドー、トーシャ」
TEL 078-912-2733
(99.9.10記)


後藤卓也さんのエッセイ
明日(9月7日)の「日本経済新聞」文化欄に、山形謄写印刷資料館の事務局長・後藤卓也さんのエッセイが載ります。資料館開設と資料収集をめぐる素敵なエッセイです。
(99.9.6記)


道立文学館でガリ版体験
北海道立文学館(札幌市中央区中島公園、Tel 011-511-7655)では、9月25日から12月5日まで、特別展示室で「〈本〉はどこに向かうのか --- 活字本からデジタルへ」という展示会を開催する。
展示会の狙いは、本の歴史をたどって現在に至り、さらにデジタル化時代の本のあり方を紹介して、書物の将来を探ろうというもの。CD-ROMやインターネットサイトといった形式での「本」の現状や、11月に試験的に発足するデジタル本の配信システム「電子書籍コンソーシアム」の実際などが紹介される。
会場の一角に設けられたコーナーでは、謄写版(ガリ版)が実地体験できる。来場者が自分でハガキ大の原紙を切って、印刷もするというもの。ほかに、小型活版印刷機の体験コーナーや、現代の本作りに欠かせないDTPの実演も。
(99.9.3記)


北海道孔版学友会が創立40年
創立40年を迎えた北海道孔版学友会(近藤敦子会長)は、先月25日から29日まで札幌市資料館で記念の展示会を開催し、会員の作品や60年代の機資材などを展示した。
同会は、通信教育で謄写印刷を学んだ有志によって1959年に結成され、作品の合評会や機関誌「北海孔友」発行などの活動を続けてきた。会員は最盛時の60年代に100名を越え、現在も60名が活動中。
(99.9.2記)


地下出版の一端
『別冊太陽』最新号(平凡社、7月刊、2800円)のテーマは「発禁本」。明治から現代にいたる思想的、風俗的理由による発禁本を網羅し、このジャンルに関する最も充実したガイドブックとなった。
孔版画家若山八十氏の春画や俳人・古川柳研究家にしてポルノ作家でもあった山路閑古の個人誌など、謄写印刷物も収録され、地下出版における謄写印刷の役割の一端がうかがえる。
(99.8.23記)


SVAのトーシャバン募金
ラオス教育省と協力して小学校を中心に謄写版(トーシャバンと呼ばれる)の普及活動をすすめている日本のNGO「SVA」(シャンティ国際ボランティア会)が、謄写版製作募金(1台分1万円)を募っている。
(社)シャンティ国際ボランティア会は、もと曹洞宗国際ボランティア会。99年6月、法人化と同時に現在名に改称。

SVAと教育省による謄写版製作事業がラオス政府に認可されて7年、現在、首都ビエンチャンの教材開発センターとともに5か所の地方製作所が稼働中。全国の小学校7789校のうち、今年度には6600校に配布される予定(普及率85%)。
教科書が不足し、電気、印刷機が普及していないラオスにあって、トーシャバンはいまや教育の必須用具。日本の小学校のように文集づくりもはじまっている。

〈募金連絡先〉 (社)シャンティ国際ボランティア会東京事務所
〒160-0015 東京都新宿区大京町31 慈母会館
Tel 03-5360-1233  Fax 03-5360-1220
郵便振替 00150-9-61724
(募金者には、配布学校一覧、利用状況の写真を添えた報告書が送付される)
(99.8.12記)


雑誌、ラジオで安藤信義さん紹介
兵庫県明石市で謄写印刷業「アンドー・トーシャ」を営む安藤信義さんの横顔が、雑誌、ラジオで紹介された。
「どっこい! いまも現役 謄写印刷」と題して取り上げているのは、(社)日本グラフィックサービス工業会の機関誌最新号(7月号)。現在も謄写印刷を業として続けている経緯や、放送作家三条杜夫さんらと組織している「ガリ版の灯を守る会」の活動などを、見開き2ページで紹介。最近のトピックスは、来春公開の映画「三文役者」の中で使われる昔の映画台本をガリ版で復刻したこと。殿山泰司役の竹中直人が「裸の島」の撮影シーンで使用するという。
ラジオでは10日のNHK・FM「ラジオ深夜便」、午前1時からの「老いを支える」というコーナーで、「ガリ版で綴る20世紀」と題してインタビューが流された。
(99.8.12記)


本間吉郎さんの活動
孔版画家本間吉郎さんは、年初に日貿出版社から『和紙孔版画のすすめ』(右図)を上梓したのにつづき、4月には今回で22回目となる和紙孔版画作品の個展を東京・谷中の「すぺーす小倉屋」で開催。
また今月は印刷学会出版部発行の『印刷雑誌』最新号(8月号)に、「孔版画を創る・創る私のおもい」と題して6ページにわたるエッセイを図版入りで寄せています。
(99.8.12記)


シンポジウム「板祐生学入門」
--- 9月10日、米子の「本の学校」で

板祐生(いた・ゆうせい、)は、切抜孔版画と呼ばれる技法の先駆者。今年で第5回を迎える 《「本の学校」大山緑陰シンポジウム》 で、この祐生を取り上げたパネルディスカッションが行われます。

「本の学校」および「大山緑陰シンポジウム」についての詳細はウェブサイト「本の学校」、また板祐生のプロフィールはショーワHP内「板祐生の世界」をご覧ください。以下は、シンポジウムで基調スピーチを行う志村章子氏の呼びかけ(抄)です。

「板祐生学入門」へのお誘い(志村章子)
板祐生(1889-1956)をご存知だろうか。祐生は鳥取県西伯郡西伯町に生まれ育ち、長じて山村校の分教場教師を長く勤め、66歳で没した。一生の間に祐生が足跡を印したのは、西は出雲市、東は鳥取市という狭い空間である。
祐生は、切り抜き技法を用いた孔版画の先駆者、そして郷土玩具などのコレクターとして知られる。
消えゆく庶民文化を哀惜し収集したジャンルは広く、郷土玩具、人形、ポスター類、地図、郵便切手、絵葉書、納札、千代紙、手拭い、絵馬、隈取面、たばこや駅弁の包装紙、コイン等々、国内各地から海外のものに及ぶ。
作品群は、和装の私家本、絵暦、蔵書票などで、独学で達した祐生独自の美の世界には目を奪われるものがある。
95年にオープンした「祐生出会いの館」はこれら4万点を収蔵するが、多方面からの祐生研究のアプローチは、これからではないだろうか。今回の分科会は、祐生の魅力に接して、“祐生学入門”ともいうべきものにしたい。
(1)祐生コレクションの全容、(2)4万点の収集物の大半が国内外の同好の友人、知人からもたらされたものである。祐生ネットワークはどのように構築されたか。(3)祐生の出版活動(私家本の発行)は、物の収集と深い関わりがある。(4)祐生の全仕事を可能にしたのが、謄写版と郵便制度だった。その考察。(5)その他。
これらを大所から、また“蟻の視点”から、自由に楽しく討論してみたい。

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