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2000年の課題は
企画提案型営業


株式会社ショーワ社長
幅 和弘

SHOWA NEWS No.87
1999年12月15日号より

大手損保会社の関連印刷会社A社さんでは、親会社の印刷物のほぼ全量を受注して、主にドキュメント・社内印刷物をドキュテック2台でフル生産していた。ロットの大きなものやカラー印刷物については丸投げで下請けを利用していたが、今年の春、親会社が社内LANを構築してネットワークで各オフィス・支店を結び、インターネット、Eメールによって情報の交換・伝達を行い、印刷物はプリンターによる必要数の出力に変換したため、ドキュテックの仕事が激減してしまった。
そこで当社の営業部員のプランをもとに、責任者の方と細部を煮詰め、今後の仕事のワークフローチャートを作成して社長に提案したところ、デジプレートによるCTPと中型オフセット機の導入が決まり、それまで丸投げしていた印刷物を内製化することによって、これからの展開を図ることとなった。
ある報道機関を創業時から顧客として、ドキュメント類を専門に手堅く成長してきたB社さんは、ディジタル技術に早くから対応し、ホームページのコンテンツビジネスにも取り組み、また番組の台本などには高速コピー機を導入してオンデマンドで仕上げて客先に喜ばれてきた。
その得意先が社内ネットワークによる電子化を図り、やはりドキュメント類がバッタリ止まってしまった。めったに弱音を吐かない社長も、さすがに厳しい表情で今後の展開を模索している。
小型両面機を10数台並べて、印刷会社の下請けとして信頼されてきたC社さん。確実な納期と安定した仕上がり、安価な料金、原稿引き取りから印刷、製本、配送に至る行き届いたサービスが顧客各社から喜ばれている。同社でも昨今、出稿がデジタル化し、ピンクについてもDTPを導入しているが、かなりの仕事量をあてにしていた優良顧客がドキュテックを数台導入し、年間何千万円かの仕事がなくなってしまった。
しかし、研究熱心な社長は社員を励まし、当社のサポートを要請して、ディジタルに強い営業マンの育成に取り組んでいる。
回収リストを見ていたら、例月売り上げが一定額を割らないD社さんの集金が10分の1に落ちている。同社のクライアントは官公庁で、そんなに落ち込むはずはないと営業部員に聞いてみると、SGML化された官庁の発注についていけず、受注が激減しているそうだ。SGMLについても当社で協力できる態勢を作るよう担当営業員に指示する。
機械類の導入について当社の提案をよく理解してくださり、永年にわたって当社をたいへん可愛がっていただいているE社さん。アイデアを連発して仕事を創り出し、いまや業界のリーディングカンパニーだが、同社でも近年カラー化への対応を迫られていた。
さいわい今回も担当営業員の提案が受け入れられて、菊四の4色機とシルバーのCTPシステムを納入させていただいたところ、仕事が途切れることなく、それどころか断らなければならないくらいに入ってきて、導入してよかったと喜んでいただいている。これも社長の日ごろの面倒見の良さや業界との交流の賜物であると思う。
等々、今年の業界の明暗を交互に描いてみたが、あらためて技術動向への対応が岐路であることを実感させられる。とくに、クライアントの意向を先取りした提案営業が、これからの業界には欠かせない。そのためには、我々ディーラーも提案型の営業を展開できなければいけない。当社もつねに研究を怠らず、新しいステップを昇っていかないと取り残されるという危機感を、全社員で共有していきたい。間もなく迎える2000年の最大の課題である。

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