印刷会社のためのChatGPT入門 . . .(2)注意点・気になる点 編

前回は、ChatGPTの魅力や可能性をご紹介しました。ネットやテレビで毎日のように目にする「こんなことにChatGPTを使うようになった」「このサービスにChatGPTを採用した」といったニュースから、その利用分野がどんどん拡大していることが分かります。

ただ、新しい技術のため、使う際に色々注意が必要なことがあります。例えば、「ChatGPTを使う時に注意すること」についてChatGPTに質問したところ、以下のような回答がありました:

 

ChatGPTを使用する場合、以下の点に注意する必要があります。

1. 情報の正確性を確認する

ChatGPTは、あくまで機械学習に基づく自然言語処理システムであるため、全ての回答が正確であるとは限りません。特に、専門的な分野や科学技術など、正確な知識が必要な場合は、複数の情報源から確認することが重要です。

2. プライバシーに関する注意

ChatGPTは、自然な言葉での対話を可能にするため、ユーザーが提供する情報を利用する場合があります。そのため、個人情報や機密情報など、プライバシーに関わる情報を含む会話は避けるようにしましょう。

3. 誤解や混乱を避けるための明確な言葉遣い

ChatGPTは、人間のように自然な言葉での会話が可能ですが、機械学習に基づくシステムであるため、誤解や混乱を避けるために、明確な言葉遣いをすることが重要です。

4. 適切なトピックでの利用

ChatGPTは、幅広いトピックに対応可能ですが、特定の分野やトピックに特化したシステムでないため、適切なトピックでの利用が重要です。

5. 悪用しないこと

ChatGPTを悪用することは、違法行為に該当する場合があります。例えば、詐欺行為やプライバシー侵害など、法律に反する行為を行わないように注意しましょう。

 

以上が、ChatGPTを使用する際に注意すべき点です。正しく利用することで、ChatGPTは、より有用な対話システムとして活用できます。

 

この回答には、よく指摘される「回答の正確性」「個人情報の取り扱い」といったことも含まれています。ChatGPTも、こうした人々の懸念を把握しているようです。他にも注意が必要なことがあります。例えば、会社の機密情報の入力。

 

前回ご紹介したマイクロソフトの新サービス「Microsoft 365 Copilot」では、ChatGPTを使って、非公開・社外秘の情報をベースにニュースリリースや製品発表会用資料を作成したり、製品の販売状況を分析したりできます。

ChatGPTによれば、「ChatGPT自体はデータを保存したり消去したりする機能を持っていません」。それは、「訓練時に使用される大規模なデータセットから学習し、その学習済みのモデルを使用して、ユーザーからの入力に対する回答を生成」するAIだからです。

しかし、「ChatGPTが使用されるアプリケーションやサービスによっては、入力されたデータを保存することがあります。例えば、チャットボットや自動応答システムのように、ChatGPTが利用される場合、ユーザーからの入力やChatGPTが生成した応答が保存されることがあります」。つまり、Microsoft 365 Copilotでは、マイクロソフトが利用企業の非公開・社外秘の情報を保存する可能性があります。

現在、ChatGPTを活用したサービスは増えています。こうしたサービスを利用する場合、サービス提供企業における入力データの保存・管理・活用方針やその実施状況はしっかり確認した方が良さそうです。流出してしまった場合、大きな影響が出る可能性もありますので。

「著作権」の問題もあります。ChatGPTは「公開されたデータ」を学習に使っていますが、著作権があるデータでもネット上に「公開」されていれば、「自由に利用」しています。一生懸命書いているこの記事も、その学習に「自由に利用」されているかもしれません・・・

 

ChatGPTは、2022年11月30日にプロトタイプとして公開されたばかりの新しい技術です。そのため、まだまだ多くの注意点・気になる点が存在します。ただ、とても様々な可能性もありそうで魅力的です。ぜひ、そのリスクを把握・意識しつつ適切に活用することで、厳しい市場環境にマケズ、売上・利益を伸ばしましょう!

ブライター・レイター 山下 潤一郎 様
ブログへのリンク:Brighter Later Blog