コロナ禍でリモート化・非対面化が進んだことを背景に、この秋の展示会でも様々な最新の「リアルとWebを融合させるサービス」が紹介されました。
例えば、mplusplus社(東京都品川区)はデジタルコンテンツEXPO(略称DCEXPO、2021年11月17日〜19日、幕張メッセ)において、遠隔地にいる観客のコメントやリアクション映像をリアルタイムにLEDデバイスに映し出すことができる「Realtime LED Control System」を発表しました。
ブースでは、同社が開発した旗の両面にLEDが取り付けられている「LED VISION Flag」に、このシステムを活用してパソコンから文章などを転送・表示させるデモが行われました。このシステムを使うことで、リモートでイベントに参加された方々も一体感を持って楽しめるようになります。
DCEXPOでは、スマートフォンやタブレットなどで撮影した商品画像をAR技術を使ってリアル空間と組み合わせることができる「カタチスペース」というサービスも紹介されていました。これはカシカ(東京都渋谷区)が提供するARサービスで、その特徴として「撮影された商品画像を実物と同じサイズ感・質感で表示できる」ことが挙げられます。
このサービスは例えば、「オンラインショップで大型家具の購入を検討する際、それを置きたい場所にARで表示させてその雰囲気などを確認する」といった使い方ができます。なお、撮影・表示に使うARアプリは、同社が提供する「カタチスペース」になります。
DCEXPOと同時開催された Inter BEE 2021では、東芝ライテック(神奈川県横須賀市)が「アートライティング・デジタルツイン」というソリューションを紹介しました。これは、スタジオ・劇場の3D CADデータを提供する「スタジオ・劇場3Dデータベース(参考出品)」や現場に入る前に演出照明プラインニングを仮想空間で確認できる「演出照明設計・シミュレーションソフト(参考出品)」などを組み合わせたソリューションで、舞台関係者がリモートで効果的・効率的に協業することを可能にします。また、IoTなどを活用して実際の舞台のデータを収集・分析することで、シミュレーションの精度をより高めることもできます。
まだコロナ禍の収束が見えてこない上、コロナ後も人手不足や働き方改革への対応が引き続き求められます。こうした状況の中、「リアルとWebを融合させるサービス」は今後も進化することが見込まれます。例えば、先にご紹介した「アートライティング・デジタルツイン」は舞台照明向けソリューションですが、「印刷工場のレイアウト変更による効果をシミュレーションできるソリューション」が開発・提供されるようになることも期待できます。
ぜひ、こうしたサービスも取り込んで、コロナ禍にマケズ、売上・利益を伸ばしましょう!
ブライター・レイター 山下 潤一郎 様
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