コンニャク版の原理
右は、欧米で1870年頃から使われたヘクトグラフの説明図。
まず底の浅い箱状の器にゼラチンを流し込んむ。次に、濃度の高い染料インキで紙に文字を書き、この紙をゼラチン面に当てて、ゼラチン面にインキを転写する。ここに印刷用紙を乗せて軽く押さえると文書が複製できる。条件がよければ数十枚の複写ができた。
(W.B.Proudfoot “The Origin of Stencil Duplicating”, 1972より)
日本でいうコンニャク版は、このヘクトグラフの原理を利用したもの。同じ原理による小型複写器が、1970年代までオフィスなどで使われた。
なお、ヘクトグラフ(hectograph)、パピログラフ(papyrograph)などの用語は、異なる方式の製品にも使われたので、かならずしも品名から方式(版式、印刷方式)を知ることはできない。
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