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祐生記念館近況 稲田セツ子 本稿は、孔版画家板祐生の作品とコレクションを収蔵・展示する「祐生出会いの館」館員稲田セツ子さんからのお便りの一部です。 記念館の開設など、没後40年を経て、祐生への関心が広がりつつあるのがうかがえる資料と思い、ご本人の了解を得て公開します。「追伸」部分は、事務連絡の途中でいただいた続報です。 この度「昭和堂月報の時代」、目出度く刊行の運びとなりましたこと、心よりお慶び申し上げます。 オン・デマンド本の七冊目ですね。 「昭和堂月報」に掲載された祐生の「賀状私見」は初めて見ました。注文いたしまして、手にするのが楽しみでございます。 祐生こけしコレクションは、随分とこけし界を賑わせております。 この度、三重県のお方二人に依りまして写真集が出来上りました。祐生が入手した年代と経路を調べて欲しいとのことで、収蔵庫に入り、調べてみましたが、あまり確実なデータではありませんでした。 けれども、それに依って、今迄皆さまが思い込んでいらっしゃった常識が破られるという一面もあったようです。東京展の資料も見せて頂きました。とても美しく、嬉しくなりました。 東京展でお知り合いになりました札幌大学長の山口昌男氏が、近々お見えになる予定です。祐生の資料から、当時の生活文化をまとめ度いと言うことでお出でになります。 八月は米子市の天満屋というデパートで祐生展が入って居ります。折りしも、県立博物館の移動展と重なり、大変な思いをして居ります。 「祐生出会いの館」では、只今、放送のポスターと東京に持ち出しました貼り込み帖の公開展示をして居ります。 殊に第一回目の国勢調査にまつわる資料は貴重で、ポスターも二十数枚ございました。大正九年に児童であった方が国調の絵を描いていらっしゃいますが、その方が九十一歳でお元気でいらっしゃったのが判り(町外にしらした)、私も嬉しくて涙が出ました。 こんな出会いがあり、私も幸福です。 かしこ
(2000.7.18) (追伸) 只今、山口先生と対座しております。随分と板祐生に魅せられたと仰有って下さいまして、名誉館長になり度いとまで云って下さいます。 丸二日、じっくり研究なさって下さいます。東京展での出逢いに感謝感謝です。 (2000.7.20)
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