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ガリ版ネットワーク日誌 [2003年12月]


12月某日
この1、2年、「インクはどこで入手できますか」などの電話が目立つ。年賀状づくりの季節とあって何件かの問い合わせがあった。「そちら謄写版のお店ですか」と聞く人もいる。「ちがいます。ガリ版ネットワークという愛好者の会の事務局です」とこたえると「エッ!」と大声を出してびっくりしている。びっくりするのはこちらの方である。「1本だけでいいから。チューブをわけて」と今度は懇願のていである。この方はかなりの年配者だが、若い人の場合は、熱心にインクを求めていたのに、会員制と聞くと「そうですか。じゃあ、いいです」と諦めるのも早い。とにかく簡単に、早く、自分の目的を達したいということのようである。謄写印刷器もそうした脈絡のなかで生まれたことに気づく。

12月7日
小春日和。冷たい北風の吹く日でなくてよかった。器材頒布作業の日である。作業に加わってくださるはずの藤田さん、藤井さんが風邪でダウン。北浦、楠本、志村のシニア・トリオで作業を開始する。25個の梱包を夕方5時過ぎに完了。今回は、ゆうぱっくをキャンセルしてクロネコに変更。郵便局の対応が杓子定規、お役人的で事務局の機嫌を損ねたのである。なにが真っ向サービスなのよ!
さすがはクロネコ。2人の青年の作業はこびには感心した。同社のシステム(ハードとソフト)がしっかりしているのがわかる。

12月某日
京都新聞の企画もの「探訪湖国の近代化遺産」(32)(12月4日づけ 記者・八幡局の河北建太郎さん)にガリ版伝承館の堀井謄写版1号機が紹介された。つい先日、事務局にも電話があり、1号機の位置づけ、日本の近代化に謄写版がはたした意味などを話したばかり。ガリ版伝承館所有の1号機は最古の謄写版であると同時に1号サイズ(ハガキ判)でもある。東京・神田鍛冶町のホリイ本社の入口を飾っていたガラスケース入りの1号機(3号サイズ)と手回し輪転機の1号機は、どうなっているのだろうか。日本の近代化の遺産なのに。

(事務局・志村章子)
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