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ガリ版ネットワーク日誌 [2003年6月]


6月1日(日)
前日は荒れた天気で心配したが、雨が少々残るものの回復に向かう。今回の“仕事人”は9名。高橋、二ノ宮、藤井、内山、藤田、宇野、吉田、楠本さん、そして志村。20代から60代まで、男女半々とバランスもいい。千葉など遠方からの応援をありがたく思う。ベテラン、新人含め人手が多かったので、午後2時半にほぼ片づく。その後、雑談。4時40分に郵便局に引き渡せた。
今回は、先に“山形倉庫”から必要な器材をもってきてあったので100%の需要に応えることができた。24会員(個人、グループ)が利用、昨年春は38会員であり、今回は3割がた減少。
夜、器材整理に3時間を要した。かなりの量を収納できず、いつもどおり仕事部屋にダンボール箱の建築物を築くことになった。

6月某日
「ガリ版を使って授業を行ないたい」という米沢女子短大の小林先生(史学科 日本近世史)から連絡をいただく。器材のほとんどは揃っているがインクがないという。協力を約束する。(※7月に教養ゼミ受講生による冊子「ガリ版文集をつくろう」<B5判、袋とじ製本>が完成。内容は詩やエッセイ。)小林先生によれば「ガリガリ原紙に字を書くのが楽しかった」という受講生がかなりあり、「パソコンが主流となってしまった今、字を書いている、という手応えを感じているのでしょうか。」と感想を記してくださった。

6月某日
会員の太田省三さん(春日井市)が、A3判に近いサイズの謄写多色刷の浮世絵(カラーコピー)を送ってくださった。「日本謄写芸術院発行 謄写印刷」とあり、裏面に佐川義高(草間京平の本名)作と書き込まれている。群馬県高崎市で手広く文房具、謄写印刷関連用品の販売店を営んだ泰文堂(創業者・中西泰氏)の店内に飾られていたものだそうである。若描きとはいえ、往年の草間の仕事を彷彿とさせる。日本芸術院は、宮川良により昭和5年(1930年)、謄写印刷技術の発展・普及を目的の興された。この浮世絵が1枚ものとして販売されたものか、機関誌「謄写研究」の付録として配布されたのか。私にとっては初めてみるものであった。

6月某日
町田市立国際版画美術館にて7月19日から9月23日まで「ガリ版版画のパイオニア ―― 若山八十氏展」(のちに「なつかしのガリ版! 孔版画のパイオニア ―― 若山八十氏展」と微妙に変化)が開催されることになった。赤羽藤一郎(2002年2月)、草間京平(2002年8月)に次いでの孔版画第一人者の作品展の実現は感無量である。よかった!
この機会に、是非とも若山作品の全貌に接してほしいとの思いから、ガリ版ネットワーク会員・協力者に「若山展」開催をメーンテーマに「号外」を発行、本日、郵送した。

(事務局・志村章子)
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