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ガリ版ネットワーク日誌 [2002年10月]


10月某日
某少年刑務所担当官から電話があった。「数10年来、ガリ版で所内誌を作ってきたが原紙が入手できなくて…」と言う。たしかに1950、60年代に複数の技術者が受刑者に謄写印刷技術講習を行なったと聞いている。そして多色刷りが喜ばれたとか。単調で色彩に乏しい日常に明るい色を求めていたのですね、と語っていたのが心にのこる。

10月26日
ガリ版ネットワークのはじめての試みである「ガリ版《きほんのき》―― 一日講座」を東京都練馬区の北東京クラブ生協地区館「ステップ」(西武池袋線石神井駅最寄)で開催し、11名が参加した。当日の講師・事務担当は北浦満治さんと楠本公子さん。愛知県から参加の3人は、東京に前泊という力の入れよう。

10月某日
中米コスタリカから帰宅直後、朝日新聞記者から電話があった。ホリイ倒産について取材とのことで、電話はかれこれ小1時間に及ぶ。コスタリカの雲霧林の鳥類や植物が占拠していた頭のスイッチを急遽ガリ版に切り換える。同社倒産の直接原因がIT化にあり、とするのは短絡にすぎないかなどと話す。「ホリイの倒産を聞いて、どういう思いがありますか」と質問する。この場合、「さびしいですね」とか「がく然としました」などのこたえを期待しているのかな。10分ほどのテレビ番組で5、6回も「今、どういう思いですか」を連発するインタビュアがいた。私はいつも、いらいらするのである。

(事務局・志村章子)
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