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ガリ版ネットワーク日誌 [2002年7月] 7月某日 台風7号の余波の残る午前中、茨城県水戸市の常陽藝文センター川口芳広、同所から発行の月刊誌「常陽藝文」編集部の大曾根克彦両氏が来宅。同センターは、地元常陽銀行を母体とする郷土の歴史、芸術文化を広く紹介する財団法人であり、9〜10月には、同県久慈郡里見村出身の“草間京平展(会場は常陽資料館)”を行なう。9月号の巻頭特集「藝文風土記」に草間京平小伝掲載の取材で来られた。長く郷里で忘れられていた天才孔版技術者、草間京平が没後30年を前に顕彰されることの意味は、けっして小さくはない。 7月某日 祐生出会いの館から来年のカレンダーが届く。同館では、毎年祐生の孔版画作品によるカレンダーを制作してきたが、2003年は“大津絵”。大津絵とは、近江の国大津の三井寺付近で旅人に販売された、いわゆる道中みやげ品として知られる。古くは、佛画、風刺を交えた戯画まで。よく知られる絵柄は、鬼、ひょうたん、槍持奴、藤娘、鷹匠等々。孔版画家の板祐生が好んで制作したのは、大津絵が柿渋を塗った型紙を版とする合羽摺りだったこともあろう。彼が大津絵から学んだことは多々あったとみる。 7月某日 長らく品切れだった『ガリ版文化史』(田村紀雄・志村章子共編著 新宿書房)が重版(3刷)になった。古書店でかなり高く購入した方には申しわけないことである。 (事務局・志村章子)
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