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ガリ版ネットワーク日誌 [2001年12月]


12月某日
「ビッグコミック スペシャル」(増刊 2002.1.3号)にガリ版をテーマにしたマンガが掲載された。勝川克志作「シリーズ少年時代 さよならガリ版新聞」である。1960年代なかば、中学3年生という設定。編集部から「ガリ版をやってみたいという人がいるかもしれないので、ガリ版ネットワークの電話番号のせてもいいですか」との電話があってOKした。マスコミに紹介されると、入会希望、器材恵贈などの電話がつきものだが、「ビッグコミック」の読者に限っては、1件もなかった。そういうものなのかな? などとひとりで合点した。

12月某日
うれしいハガキが届いた。福井の助田茂蔵・篤郎(会員)から野の花をテーマにした「越前百花譜」特装本頒布のお知らせ。茂蔵さんは、86歳。日本で最も高齢の孔版作家であろう。さっそく申し込む。野の花に添えられた短い文(もちろん謄写刷り)、これがまたいいのである。花と共にある茂蔵さんの人柄そのままである。

12月某日
この12月刊行の第16巻・下で『新校本・宮澤賢治全集』(16巻+別巻)が完成した。編集委員の栗原敦さん(実践女子大教授)とご縁ができたこともあって、「年譜」に賢治が筆耕として在職した本郷・赤門前の謄写プリント店文信社の略地図、脚注として文信社に関連のあった初期謄写人、友野康夫、矢口義夫らの証言が取り上げられたことは、ガリ版文化史上、小さくない出来事である。

(事務局・志村章子)
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