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ガリ版ネットワーク日誌 [2001年11月]


11月某日
「ホリイって、よく聞くんですが、なんのことでしょう」 ガリ版に関心があると電話をかけてきた人の質問である。堀井謄写堂も遠くなりました。

11月某日
会員の藤井恩さんと、戦後に活動した謄写技術者金子良三氏の残した資料(金子良三コレクション)を拝見しに、川島規子さん宅(千葉市花見川区)に伺う。資料の中に草間京平製版・印刷の最初期印刷物を発見した。
草間は、1920年(大正9年)同人誌「孔雀草」編集に携わったときに、初めてガリ切りを経験している(「孔雀草」は未見)。現存するのは、大正12年の「黒船社」時代の『城所英一第一詩集』、大正13年の文芸誌『新樹』であり、今回発見の「クリスマスプログラム」(奉仕園教会の表紙)は同じく大正13年のもので、『新樹』(前半部分)のフリーゴシックの書体にそっくりである。
諸資料のほかに、ゼラチンローラー製造器具一式も。昭和謄写堂など謄写用品販売店で扱われていたものだが、今では珍しいものである。孔版画制作には必須の道具とされ、川島さんたちZ派孔版技術保存会メンバーは、いまも自家用をつくっている。

11月28日
“志村倉庫”にて器材頒布作業を行う。伊藤、楠本、北浦、高橋、志村の5人で作業進行。(車のパンク事故で1名欠席)
1号(ハガキ判)謄写版、複式謄写版、無地原紙、スクリーン、絵画ヤスリの需要にこたえられなかった(注:2月上旬、これらの器材入手したので、希望者に届けることができた)。今後も希望を聞いておいて、入手次第、送付という形にしたい。
数日後の晩、数十回のクシャミと鼻水、床に入ってからは息ができないほどの鼻づまり、ひょっとして、何日間かの器材整理が原因か。次の日には全快。

(2002年4月17日、事務局・志村章子)
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