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ガリ版ネットワーク日誌 [2001年5月(2)] 5月某日 SVA(シャンティ国際ボランティア会)から、ラオス謄写版事業の「報告書」が送られてきた。全小学校(8140校)へのトーシャバンの普及が2001年度中には達成されることになった、という。 謄写版は発展途上の国々で、電力が不要で、もっとも安いコストで印刷物がえられるとあって国際NGOの関心を集め、中国やモンゴル等には中古品を送る団体もあり、ネットワーク会員が、アフリカ、中国、フィリピンなどに携えていくというケースもあった。 しかし、国策でNGOとの共同作業により、全校配布を達成した例は、ラオスの他には聞いていない。ここまでの普及を可能にした要因について語るのは、まだ早すぎるかもしれないが、次の2つは大きな要点ではないだろうか。 1. 謄写版は、首都ヴィエンチャン市と地方都市の5か所の教材工場で製作された。材料は木材のほか、スクリーンは市場で売っているシルク、ローラーの持ち手は針金の太いものを加工し、ゴム部分は木と発泡スチロールで代用、 インクと原紙はタイ製だが、市場や街の文具店で入手できる。原紙はタイプ原紙である。 2. 県ごとの小学校の先生に3日間の研修を行い、謄写版の使い方、「文集づくり」などを提案、参加者たちが協力して作り上げた。 私は、三たびラオスを訪れ、研修会に参加したり、山村校や教材工場に出かけたりした。 トーシャバンが、ラオスの人々の手で工夫が加わり、次第に使い勝手のよいものになり、研修会では、先に学んだ先生が講師となって次々に経験を伝えていった。ラオス流の速度で、トーシャバンは、地道に浸透し、また浸透しないという事情もあるだろう。 全校配布が終了するといっても、これですべてが終わるわけではなく、教育への更なる有効な利用をめざして、これから始まるといっていいかもしれない。 来年2月にヴィエンチャン市で開催のワークショップには「学級新聞づくり」が提案されるという。私もひさしぶりに出かけることにしている。 (2001年12月24日、事務局・志村章子)
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