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ガリ版ネットワーク日誌 [2001年3月]


3月某日
「原爆投下から1年後、広島県の旧女学校で、新聞紙サイズのガリ版新聞が出されていた。感動した」と女性新聞の編集長Sさんから電話があった。不死鳥のようだ。タブロイドでなくブランケット判とは。

3月某日
テレビ東京の人気番組「なんでも鑑定団」に洋画家福井良之助の水彩作品という鑑定品が持ち込まれた。依頼人は歌手の山本リンダで母の形見とか。当人の若がき(20代)の作品と鑑定されたのだが、福井には孔版カットを描くことで生活をささえた時代もあり、独特のマチエールの孔版画の秀作も知られ、同番組でも数点が紹介されていた。
昭和謄写堂が昭和26年(1951)から昭和37年(1962)まで開催の「全国孔版賀状交換会」(全国孔版技術者たちの交歓も目的のひとつ)が行われたが、福井良之助も参加したことがある。
昨年12月17日に鳴門市ドイツ館(徳島県)で開催のイベントには、同県の武田正一コレクションの展示で福井の賀状(酉の絵柄)が紹介された。私は初見。造形のたしかさとリリシズム。

3月某日
昨年、横浜・関内にオープンの新聞博物館(ニュースパーク)の新聞ライブラリーに出かけ、「沖縄タイムス」をマイクロリーダーで読む。1948年創刊、ガリ版新聞でスタートしている。「社史」で、発刊までの苦労などを知る。国会図書館の手回し式のマイクロリーダーから、驚くほど近代化している。コピーも同時にできるのだから。驚いているのは私だけかしら。

3月某日
1週間以上かけて「通信」16号の原稿書き、編集に費やして、原稿を今回の製版・印刷者、安藤信義さんに送る。この6年半、ガリ版ネットワークは、体力も下り坂の私の生活にドンと居座ってしまった。この存在はどういうことなんだ、とあきれることもしばしば。
北海道の会員Oさんから、「原紙送ってもらったけど請求書こないが…」と電話があった。「忘れてしまってごめんなさい」と私。「言わなければ良かったかしら」とOさん。そんなこんなで多摩丘陵のサクラの開花も秒よみ。
ガリ版ネットワークも4月から〈第3期〉がスタート。器材頒布と「通信」の定期化。それだけなのだが。

(20001.3.26、志村)
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