前回の記事で、機材・技術トレンドから見たvirtual.drupa 2021 のニックネームは「自動運転(Autonomous)drupa」だとご紹介しました。一方、印刷会社が取り組むべき経営課題という観点からだと「サステナブル(Sustainable)drupa」だったと筆者は考えます。
サステナブルとは、デジタル大辞泉(小学館)では「持続可能であるさま。特に、地球環境を保全しつつ持続が可能な産業や開発などについていう」と説明されています。virtual.drupaでは、欧州におけるサステナビリティを高める様々な「本気の」取り組みが、オンラインセミナーを通じて紹介されました。
例えば、ドイツの印刷会社 Oeding Print社からは、工場を立て替えたり機材を入れ替えたりすることで、10年間で「用紙1トンあたりのエネルギー消費量を1,800kWhから690kWhへ削減(62%減)」「用紙1トンあたりのCO2排出量を395kgから70kgへ削減(82%減)」を実現した取り組みが紹介されました。
フィンランドの板紙メーカであるストラ・エンソ社は、自社が主催した「再生可能で循環可能な次世代パッケージ」をテーマにしたデザインコンテスト(Design Circular)の入賞作品を紹介しました。第1位となったのは「flatBowl」というコロンビアのデザイナーの作品でした。
これは、食事をテイクアウトする時に使う紙製の容器で、入れるものによって深さを変えることができます。中央部の円錐形部分にはソースなどを入れることができるため、プラスチックの容器も削減できます。組み立てる前は平らなので、保管時に場所を取りません。組み立て方は、こちらの動画をご覧ください。
環境への意識が高まる中、これからも一層のサステナビリティを高める取り組みが求められます。オンラインセミナー動画は今年(2021年)12月末まで試聴できるので、ぜひこれらを通じてサステナブルな取り組みをさらに進めるヒントを見つけましょう!
ブライター・レイター 山下 潤一郎 様
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