Page2025レビュー(1) 多色化や印刷品質・作業性・生産性向上が進むデジタル印刷機

今回のpageでは、フルカラートナー機の「多色化による表現力向上」や「精度の高いセンサーを活用した印刷品質・作業性・生産性向上」が進んでいることが見えてきました。

 

FFGSブースに展示された Revoria Press EC2100S は印刷速度 100ページ/分(A4サイズ)の5色機。今年1月に発売されたばかりの新機種で、5色目には表現力を向上できるクリア、ピンク、カスタムレッド、テクスチャード紙トナーの4色が現在用意されています。さらにゴールドやシルバーにも今後対応しますが、ホワイトには対応しない予定となっています。

 

 

コニカミノルタが展示・デモを行った AccurioPess C14010S は、今回のpageで初展示された機種です。白色トナーがオプションとして用意された5色機で、印刷速度は140ページ/分(A4サイズ)。白色トナーを使うことで、色紙やクリアメディアへの表現力を向上できます。

 

また、この機種にはインテリジェントメディアセンサー IM-104/ IM-105や自動品質最適化ユニット IQ-601、紙面検査ユニット A-101などが搭載されていて、印刷品質向上や省力化・スキルレス化が実現されています。なお、C14010Sは2025年春の発売予定です。

 

 

キヤノンではトナー機の新機種の発表はありませんでしたが、imagePRESS V1000(100枚/分、4色機)にセンシングユニット(印刷前作業を自動化)、インスペクションユニット(インラインで全数検査)、除電ユニット(自動で静電気を除去)、冷却ユニット(定着後に自動冷却)といったインラインユニットを組み込むことで、印刷品質や作業性を向上させる提案を行っていました。また、大容量フルエア給紙(参考出品)を採用することで、さらなる生産性向上も実現できることも示していました。

 

 

印刷革新会ブースでは、リコーのデジタル印刷機にウェブテック社のインライン検査装置を組み合わせた、バリアブル印刷部の検査処理フローのデモが行われていました。このフローはまだ開発中ですが、印刷会社にヒアリングをしながら開発していることから、検査精度と生産性のバランスが取れた使い勝手が良いものとなることが期待されます。

 

 

昨年開催されたdrupa2024会場で大きく注目されたA3サイズ枚葉水性インクジェット機の新製品については、実機の展示はなくパネルでの紹介となっていました。コート紙への高速印刷(150ページ/分, A4サイズ)を特徴とするSCREEN Truepress JET S320・京セラ TASKalfa Pro 55000cは、用紙の乾燥方法を詰めている段階で発売時期は未定。一方、キヤノン iX1700(170枚/分, A4サイズ)は今年中の発売が予定されています。

 

同じくdrupa2024で話題となったB2サイズ枚葉インクジェット機や輪転インクジェット機、(パッケージやラベル向け)産業用デジタル印刷機なども、今回のpageではあまり目立っていなかった印象でした。

 

このように、今回のpageでは最新のデジタル印刷機の発表・展示は少なめでした。しかし、センサーやソフトウェアの活用など既設デジタル機の印刷品質や作業性、生産性を向上するヒントがたくさん提案されていて、設備投資を抑えつつ「ガンガン印刷して稼ぎたい!」方々の参考になる面白い展示会だったと思います。

 

次回は、採用難を背景に進化を続ける自動化・省力化の最新トレンド@page2025をご紹介します。お楽しみに!

 

 

ブライター・レイター 山下 潤一郎 様
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