前回記事にも書きましたが、page2023は「ミニIGAS」といった内容でした。ただ、コンパクトになったことで、IGASよりも存在感が増した展示もありました。
例えば、プリプレス関連機材。オンデオマ(大阪府大阪市)は、クラウド型バリアブルプリントデータ出力システム「JOIN PIC VARIABLE」を紹介しました。これは、デザインから印刷データ生成までクラウド上で完結するサービスで、DM、年賀状、名刺、チケット、POPなど様々なアイテムに活用できます。コニカミノルタは、このサービスを使ったクラウド型バリアブルソリューションを参考出展していました。
制作に強みを持つ印刷会社服部プロセス(兵庫県神戸市)が提案した「PictSwitch」は、自動で画像補正(レタッチ)ができるブラウザベースのサービスです。同社が年間約6万点の画像補正をする中で蓄積してきたノウハウをサービス化したもので、元画像に対して複数の補正候補画像が提示されるのが特徴です。画像100枚の処理時間は約13分と高速なので、制作の業務効率化に貢献します。3月にサービス提供開始、料金は月額8,800円(月100枚まで、税込)の予定です。
服部プロセス以外にもたくさんの印刷会社が出展していて、大きな注目を集めていました。東洋美術印刷(東京都千代田区)は同社が制作したVR(Virtual Reality, 仮想現実)の事例として「VR IGAS KOMORI Booth」を紹介していました。これは、IGAS2022のKOMORIブースを4K 360°カメラで撮影してWeb上に再現したもので、IGASに来場したような体験ができます。同時に(バーチャル)会場内での行動履歴をデータとして取得できるので、一連のマーケティング活動にも活用できます。
多田紙工(埼玉県さいたま市)ブースでは、「セルロースフィルム」が提案されていました。これは、土中や海中でバクテリアによって分解される、植物由来の生分解性を持つ環境に優しいフィルムです。プラスチック製の袋の置き換えを訴求していて、会場ではバイオマスインキで印刷した袋がサンプルとして配布されました。
検査ソリューションのように、IGAS・pageの両方で存在感の変わらない展示もありました。ダックエンジニアリングは、小型枚葉仕分け検査装置 e-CAMOSを展示していました。印刷物をスキャナで読み込み、良品と確認品を自動で仕分ける装置で、最大でA4サイズまで対応、異物、黒点、ピンホール、文字欠け、文字潰れなどの欠陥を検出することが可能です。
今回のpageでも、印刷会社が成長するための様々なヒントが見つかりました。こうしたヒントを活かして、厳しい市場環境にマケズ、売上・利益を伸ばしましょう!
ブライター・レイター 山下 潤一郎 様
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