Horizon Smart Factory 2024 レビュー!(1)無人化に挑戦!!

2024年10月9日〜11日の3日間、ホリゾン本社びわこ工場内 Horizon Innovation Park(滋賀県高島市)で Horizon Smart Factory 2024(HSF2024)が開催されました。HSFはスマートファクトリーをテーマにしたイベントで、今回のテーマは「自動化から無人化へ」。会場は「無人化ゾーン」「自動化&ワークフローゾーン」「ニューフォーカスゾーン」の3つに分けられ、合わせて20以上の最新システム・機材が展示されていました。その中には、drupa2024のホリゾンブースで展示されていなかったものもありました。

 

3つのゾーンのうち、最も大きな注目を集めたのが「無人化ゾーン」。drupaで展示されていなかったシステムが中心で、それらはホリゾンが「挑戦」と呼んでいた大きなシステムだったからです。

 

 

例えば、輪転インクジェット機とインライン接続された無線綴じシステム(プリンターインライン 無線綴じシステム)。これは、輪転インクジェット機での印刷から冊子の作成、AGVによる保管場所への搬送までをワンパスで実現するシステムです。

 

drupa会場でも、ロール紙から冊子を作成する「ロール紙対応無線綴じシステム」や、A3トナー機とインライン接続された「プリンターインライン無線綴じシステム」のデモが行われていました。しかし、輪転インクジェット機とインライン接続されたシステムはありませんでしたし、drupa会場の上記システムはAGVと連動していなかったと思います。

 

 

このゾーンに展示された「無人化コンセプト ~中綴じ~」「無人化コンセプト~無線綴じ~」は、AGVやロボット、ワークフローを組合せ、印刷・後加工・梱包・運搬までの無人化に挑戦した大きくて複雑なシステムです。これらもdrupaのホリゾンブースでは展示されていませんでした。

 

「無人化コンセプト ~中綴じ~」は、A3トナー機(2台)と中綴じ製本システム、ロボットアーム、AGVを連携させたシステム。2台のA3トナー機はニアラインで設置されていて、それらで印刷された本身はAGVで製本システムに搬送されます。つまり、2台のデジタル印刷機に1つの製本システムで対応しています。完成した冊子はライン上で帯掛けされロボットアームでパレタイズされ、パレットに積まれた冊子はAGVで保管場所に搬送されます。

 

 

「無人化コンセプト~無線綴じ~」は、以下の機材が連携された大きくて複雑なPOD製本システムです:

 

* A3デジタル印刷機 x 2台(トナー機 x 1台、枚葉インクジェット機 x 1台)

* 無線綴じ機 x 2台

* 三方断裁機 x 1台

* ロボットアーム x 2台

* AGV x 1台

  • AMR x 1台、など

 

2台のデジタル印刷機で印刷された本身をロボットアームで無線綴じ機に投入して製本するシステムが2つ、それらで製本されたものをベルトコンベアで1台の断裁機に搬送します。こちらは、2つの印刷・製本システムに1台の断裁機で対応するシステムでした。

 

 

ところで、「無人化ゾーン」では消灯工場をイメージした「Lights Out」という演出がされていました。これは単に照明を暗くするのではなく、青から紫に変わる照明の中スポットライトがゆっくり動くといったもので、ゾーン内ツアーでもデモの様子が分かる明るさ(暗さ?)になっていました。また、ツアーで歩くコースの両端は白色だったりして、「未来の工場」を感じさせるとても印象的な演出でした。

 

 

次回は、HSF2024でも大きな存在感を示していたAGV(無人搬送車)に注目します。お楽しみに!

 

ブライター・レイター 山下 潤一郎 様
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