drupa2024には、前回ご紹介した「枚葉インクジェット機」以外にも、様々な最新のインクジェット機が展示されていました。
例えば、輪転インクジェット機。富士フイルム、キヤノン、リコー、SCREEN GA、コダック、HPなどのブースでは、以下のような商業印刷市場をターゲットにした最新のフルカラー輪転インクジェット機の展示・デモが行われました。その多くが「4色機水性インクジェット機」「解像度 1200 x 1200 dpi」「印刷速度 150m/分」といった仕様。後加工機をインライン接続したシステムでのデモも多数行われていました。
- 富士フイルム Jet Press 1160CGF
- キヤノン ProStream 2133
- リコー Pro VC 80000
- SCREEN GA Truepress JET 560HDX
- コダック Prosper Ultra 520
- HP PageWide Advantage 2200、など
今回のdrupaの特徴として、紙器パッケージや軟包装、ラベル、テキスタイル(捺染)、段ボールなど様々な分野に向けた産業用インクジェット機が大きく増えたことも挙げられます。その種類も「枚葉機・輪転機」「水性インクジェット機・UVインクジェット機・油性インクジェット機・UVインクジェットとフレキソ印刷を組み合わせた機材」など多様で、顧客のご要望や仕事の内容に応じて適したものを選ぶことができます。
産業用インクジェット機が増加している理由に、ジョブの小ロット化・パーソナライズ化が進んでいることがあります。EFI社(米国)ブースに展示された段ボール用UVインクジェット機 Packsize EFI X5 Nozomi のすぐ横には、可愛らしい模様と一緒に「Happy Birthday」と名前入りで大きく書かれたサンプルが置かれていました。こうした箱に入ったプレゼントをもらった誕生日は、印象に残りそうです。
環境負荷を低減することも、産業用インクジェット機が増えている理由として挙げられます。例えば、従来のポリエステルの染色には大量の水を使い、その廃液には適切な処理が必要になります。これに対して、Kornit社(イスラエル)のポリエステル用デジタル捺染ソリューション Atlas MAX POLY は「水のない工場」をコンセプトとしていて、印刷プロセスに最小限の水しか使用しないようになっています。
最新のトナー機については前回の記事をご確認ください。また、最新デジタル印刷機の仕様など詳細情報が必要な方は、㈱ショーワ経由でご連絡いただければと思います。
次回は「スマートファクトリー関連」の展示内容をご紹介します。お楽しみに!
ブライター・レイター 山下 潤一郎 様
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