AI石川県知事に見る印刷会社のチャンスとピンチ

この数ヶ月間で、生成AIに関する情報やニュースの内容が大きく変わったように思います。数ヶ月前までは、生成AIに関する情報・ニュースは「生成AIって何?」「どんなサービスがあるの?」「使っても大丈夫?なんか不安なんだけど・・・」といった質問に答えるようなものが中心でした。しかし最近では、「こんな風に活用してみた!」といったものが増えています。

 

それらの中には、高付加価値コミュニケーションサービス産業への転換を目指す印刷会社の参考になる取り組みもあります。例えば、2023年8月22日にスタートした「AI石川県知事 デジヒロシ」。これは、「馳 浩」石川県知事を用いた生成AIによる広報キャラクターが、石川県を毎日PRするというものです。

 

 

 

県の担当者が発信するテーマを設定すると、年間2,000本以上の広報資料や県内の1,000以上の行事、経済統計、医療福祉などの情報をAIが収集・分析します。その結果から生成AIがPR用原稿を生成、その原稿から音声や動画・静止画などが自動生成されます。さらに、海外向けに情報発信するため、40ヶ国語に翻訳することもできます。こうした一連の作業は、約10分で行われます。

 

 

こうしてAIで生成されたコンテンツは、石川県YouTubeチャンネルやX(旧ツィッター)などで発信されています。なお、使われているAIサービスは、日本経済新聞社のグループ企業QUICK社が開発した「QUICK Smart Brain」を石川県向けにカスタマイズしたものになります。

 

こうした「情報の収集・分析・コンテンツ作成」ができるAIが使えるようになると、印刷会社が提供できるサービスの幅は格段に広がります。これは大きなチャンスです!一方、お客様がこうしたサービスを導入・活用できるようになると、ピンチになる印刷会社もあるかもしれません・・・ただ、提供するサービスを進化させることで、こうしたピンチをチャンスに変えることもできます。

 

高付加価値コミュニケーションサービス産業への転換を目指す印刷会社の皆さん、今のうちからAI石川県知事のようなサービスをチャンスとして活かす方法、あるいはそれによってピンチに陥った場合の対処方法などを検討・準備しておくことで、そのタイミングが来たときにはしっかりと売上・利益を伸ばしましょう!

 

 

 

ブライター・レイター 山下 潤一郎 様
ブログへのリンク:Brighter Later Blog