AIが得意な業務・苦手な業務とは?

世界最大の印刷機材展 drupa2024でも、AIを組み込んだ機材や生成AIを活用したサービスなどが数多く提案されていました。さて、印刷会社はAIをどのように活用すれば良いのでしょうか?

 

今年(2024年)7月に防衛省が発表したレポート「AI活用推進基本方針」によれば、AIの活用に適した業務として、以下のような要素を備えるものが挙げられています。これは、AIが得意なこと・苦手なことを考慮したものです:

 

 

  1. 克服すべき課題を人間が特定できていること
  2. 正解(と思われるもの)が存在すること
  3. AIの機能(分類、異常検知、回帰、自然言語処理、行動の最適化)を用いることにより課題を解決できること
  4. 学習に必要なデータの質と量を確保できること

 

 

これらを踏まえると、自社が良く理解している業務の省力化・効率化を目的として、AIを活用するのが良さそうです。防衛省のレポートによれば、「AI自体には人間の周囲で起きている複合的な状況を全て把握し何が課題となっているのかを見出す能力はないため、人間が課題を特定し、その課題の克服のためにAIをどのように使うのか決めなければならない」からです。

 

そうした業務のひとつに、印刷品質・加工品質などをチェックする検査があります。自社で知見を蓄積していて、品質のOK/ NGを決める正解も存在しています。また、その正解を学習するためのデータも確保でき、学習を続けることでその精度をさらに高められるからです。

 

一方、「生成AIで作成したマーケティングプランをそのまま提案する」ことは、避けた方が良さそうです。マーケティングプランには、正解(と思われるもの)がなさそうだからです。また、学習に必要なデータを十分に確保するのも難しそうです。防衛省のレポートでも、「AIはデータによる学習を前提とするため、前例のない状況では出力する回答に限界がある」ことを指摘しています。

 

AIは、人的ミスの削減や省人化・省力化に大きく貢献でき、また全体最適化を進める強力な武器にもなります。防衛省レポートでも「多くの領域に変革をもたらし得るゲーム・チェンジャー技術とも指摘される」と書かれています。

 

ぜひ、AI得意なこと・苦手なことを理解した上で、自社の知見も活かせてAIにも適した業務に導入・活用しましょう!そして、全体最適化をどんどん進めながら競争力を高め、売上・利益を伸ばしましょう!!

 

 

ブライター・レイター 山下 潤一郎 様
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