電通が今年2月に発表した「2022年 日本の広告費」では、「その他、広告関連市場」として商業印刷市場・ポスティング市場・DM制作関連市場も推計されています(これらは「日本の広告費」市場には含まれていません)。
発表資料によれば、2022年の商業印刷市場は1兆7,750億円で、前年から微減(マイナス0.3%)でした。なお、コロナ禍1年目(2020年)に12%と大きく減少しましたが、コロナ禍2年目(2021年)には2%増加しました。その結果、コロナ前(2019年, 1兆9,900億円)と比較すると11%減となっています。
商業印刷市場のうち、ポスター・チラシ・パンフレットの印刷市場規模も発表されています。2022年は1兆650億円(前年から0.5%減)で、コロナ禍前(19年)と比較すると13%減でした。また、商業印刷市場に占めるポスター・チラシ・パンフレット印刷市場の比率も、コロナ禍前の62%から60%へと減少しました。
一方、2022年のポスティング市場は前年比8%増の1,387億円で、コロナ前(2019年, 1兆9,900億円)と比較してもプラス15%と大きく増えています。電通によれば、官公庁・自治体関連の配布物や公告などの引き合いが継続し、求人情報、グルメ・飲食、塾・教育、住宅・不動産、宅配などが増加するなど、コロナ禍で増えた全戸配布の需要が継続していることが、その背景にあります。
DM制作関連市場は2021年(1,071億円)・2022年(1,103億円)の2年分しか発表されていませんが、3%増加しています。これは、対人営業の代替手段やリモート営業の販促ツールとしてDMが活用され、さらにデータマーケティングをはじめとした作業運用費も増加したためです。
DMや折込広告などプロモーションメディア広告費は減少傾向にありますが、ポスティング市場がコロナ禍を上回る規模へと増加したり、データマーケティングなど付加価値を高めることでDM制作関連市場も成長したりしています。インターネット広告費はコロナ禍でも伸びており、国内総広告費も過去最高を記録しました。
広告市場の新しい事業機会を実現することで、厳しい市場環境にマケズ、ぜひ売上・利益を伸ばしましょう!
ブライター・レイター 山下 潤一郎 様
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