Page2022 リアル展示会レビュー (4) . . . 進化する印刷会社の取り組み

 今回のpageでは、コロナ禍で大きく変化した市場に合わせて進化した、様々な印刷会社のサービスも紹介されていました。例えばイナミツ印刷(東京都品川区)は、コロナ禍で利用が増えたデジタルメディア/コンテンツ向けサービス「マンガ動画」「音iRe:」を提案していました。

 「マンガ動画」は、吹き出しの付いたマンガを使って動画を制作するサービスです。イナミツ印刷によれば、絵と文字で構成されているマンガは記憶の定着率が高いと言われていることから、高い販促効果が期待されます。また、絵そのものが動くアニメよりも制作コストを低く抑えることができるため、費用対効果も高めることができます。

 「音iRe:」は、プロの声優によるナレーションやセリフを安価(従来料金の約20〜50%程度)に動画やPowerPoint資料に入れることができるサービスです。低価格でサービスを提供できるのは、録音用スタジオを使わず、声優が自宅で収録しているためです。2021年5月時点で女性声優7名・男性声優7名が在籍していて、用途に合わせてキャスティングすることも可能となっています。

 

 

 会場では、注目が高まるSDGsに関する様々な取り組みも紹介されました。コニカミノルタブースでは、東洋英和女学院 中等部・高等部(東京都港区)がバナナペーパーを使った「マスクに貼るSDGsシール」を自主的に企画し、シール堂印刷(東京都品川区)と共同開発した事例が紹介されていました。これは、生徒がSDGs認知向上を目的として立案・実践した企画で、シールの売上はユニセフに募金されています。

 
Roland
 

 興栄社(東京都江東区)は、「東京都神津島産の桑の木粉を使った生分解性100%の3Dプリンタ用フィラメント」を展示しました。これは、東京・伊豆諸島の神津島で養蚕廃止後に放棄されて現在は野生林となっている桑の木が原料のひとつとなっている、3Dプリンタ用フィラメントです。工業用コンポスト(温度60度以上、湿度60%以上)で分解するという特徴があります。このフィラメントは、興栄社が運営するネットショップなどで販売されています。

 

 

 コロナ禍でペーパーレス化が急速に進みましたが、デジタルメディア/コンテンツやSDGsなど付加価値を高められる分野も見えてきました。こうした分野向けのサービスも拡充させることで、コロナ禍にマケズ、売上・利益を伸ばしましょう!
 
 
ブライター・レイター 山下 潤一郎 様
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