商印市場におけるコロナの影響分析

 今年8月、トピック記事で印刷通販会社大手印刷会社における新型コロナの影響を分析しました。今回は経済産業省「生産動態統計調査」結果を使って、商業印刷市場における新型コロナの影響を分析します。

 商業印刷物生産金額について2020年1月から9月までの前年同月比推移を見ると、緊急事態宣言が出された4月に(3月の93%から)82%まで大きく下がりました。5月に77%までさらに5ポイント減少した後、増加傾向に転じました。ただ、回復のスピードはゆっくりで、9月でも87%とコロナ前(1月〜3月)の水準をまだ下回っています。
 
Roland

 
 次いで、商業印刷物の累計生産金額(1月〜9月)の推移を見てみましょう。2016年を100とすると、2019年は96でした。それが2020年には83まで大きく減少しています。

 2016年から2019年の3年間の減少幅が4ポイントだったことから、今年の減少幅(13ポイント)は約9〜10年分に相当します。これは、今後9年〜10年かけて減少する分がこの1年で一気に減少したことを示しています。商業印刷市場におけるコロナの影響はとても大きいことが分かります。

 別の見方をすると、コロナがなくても9年〜10年後には商業印刷の仕事は今年分くらいにまで減少していたと考えられます。また、商印市場は今後も減少傾向が続くことが見込まれることから、コロナが終息して印刷需要が多少戻ったとしても、その数年後には再び今年くらいの市場規模になるでしょう。

 ぜひ今のうちに、今年くらいの仕事量でも十分に利益を出せる体質への転換を進めましょう!
 
 
Roland
 
 
ブライター・レイター 山下 潤一郎 様
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