2024年、印刷用紙の価格はどうなる?

2023年11月、大手製紙会社は2024年3月期第2四半期決算を発表しました。今回、日本製紙・王子ホールディングス・北越コーポレーション・三菱製紙の4社について、印刷・情報用紙を含む事業部門の決算を分析しました。

 

その結果、上半期(4月〜9月)の売上高は前年同期と比較して、三菱製紙は微減でしたが、それ以外では増加していることが分かりました。また、営業利益は全社増加した上、黒字化しています。この背景には、印刷・情報用紙の需要は減少していて販売数量は減少しましたが、価格修正の実施によって売上高や営業利益が伸びたことがあります。

 

さて、2024年、印刷用紙の価格はどうなるでしょう?残念ながら、値下げされる可能性は低そうです。それどころか、さらに値上げされる可能性も考えられます。各社の営業利益率が、まだ十分高くなっていないからです。

 

日本製紙が決算と合わせて発表した「戦略説明資料」によれば、同社は今後も印刷用紙への需要は減少し、製造コストは上昇することを見込んでいます。そして、その対抗策としてコストダウンを一層推進するものの、賄いきれないコスト上昇への対応を検討する、としています。この対応には、さらなる価格修正も含まれていそうです。

2024年も引き続き、印刷市場を取り巻く環境は厳しいものとなりそうです。知恵を絞ったり自ら動いたりすることで、厳しい市場環境にマケズ、売上・利益を伸ばしましょう!

 

ブライター・レイター 山下 潤一郎 様
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