大日本印刷(DNP)や凸版印刷は、デジタル化の加速やコロナ禍を受けて「脱商業印刷・出版印刷・紙器」を進めています。2021年8月24日の日経新聞朝刊には「売上高に占める紙メディア事業の割合は1割程度に縮小する」という凸版印刷社長のコメントが掲載されました。では、どういったサービスへとシフトしているのでしょうか。
DNPは、「BPO」や教育関連・認証・セキュリティなどの分野における「データ流通関連事業」を注力事業のひとつに位置付けています。例えば教育関連分野では、デジタルを活用した新たな教育の仕組みを構築することで「利便性や教育の質の向上」「教育の機会均等」を実現する事業の展開を計画しています。環境に配慮した包材を開発・提供する「環境関連事業」も注力事業に挙げています。
凸版印刷では、Webサービスと組み合わせた「BPO(デジタルBPO)」や、データを活用してマーケティング・流通・製造などのDXを支援する「DX事業」を成長事業としています。パッケージ分野では、軟包装の高付加価値を進める「SX事業」(Sustainable Transformation)が成長の牽引役になることを目指しています。また、サステナブル包材を武器に欧米やASEANなど海外市場の開拓を進める計画です。
さて、中小印刷会社はどのような展開をすれば良いのでしょう?大手印刷会社にならって、BPOや顧客のDX支援、サステナブルな軟包材の開発・提供にシフトするのも良いでしょう。あるいは、大手印刷会社が脱却を進める商業印刷・出版印刷・紙器市場をさらに深掘りする「逆張り」戦略もアリです。大手印刷会社では利益が出せなくても、中小印刷会社なら利益を出せるかもしれないからです。
では、あなたの会社にとって「大手追従戦略」と「逆張り戦略」のどちらを選ぶのが適切なのでしょう?あるいは、それらとはまた別の戦略を立案・実践するのが良いのでしょうか。それを判断する際には、顧客やパートナー企業の声が大いに参考になります。顧客はどんなことに悩み、どんな進化を期待しているのか。パートナー企業は、顧客の悩みや期待に対してどんなサービスを開発・提供しようとしているのか。
顧客やパートナー企業の声もポストコロナ戦略に反映させて、売上・利益を伸ばしましょう!
ブライター・レイター 山下 潤一郎 様
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