7月25日、キヤノンからフルカラー輪転インクジェット機の新製品 オセ ProStream 1000が発表されました。解像度1200 x 1200dpiの4色機(CMYK)で、印刷速度 80m/分(標準)・40m/分(低速)、最大用紙幅 558mm・最大印刷幅 540mmの商業印刷市場向け機種です。
ProStream 1000の特徴のひとつに、オフセット印刷用のグロスコート紙、マットコート紙、上/中質紙に高い品質で印刷できることが挙げられます。これは、新開発の「インクセットテクノロジー」によりインク同士の混色や用紙への染み込み・滲みが抑制されているからです。
また、用紙の風合いや光沢を守りながら両面印刷できる「エアーフローテーション非接触乾燥テクノロジー」の採用、45gsmの薄紙から300gsmの厚紙まで対応、といった特徴もあります。こうした特徴を活かすことで、高級美術印刷、高級カタログ、バリアブルDM、プレミアムDMなど、様々な商業印刷向けアプリケーションを生産することができます。
発表会当日には、キヤノン Customer Experience Center TOKYO (CEC TOKYO, 東京・大田区)に設置されたオセ ProStream 1000による実機デモも行われました。また、参加者にはProStream 1000で(発表会前日に)印刷されたこの機種のパンフレットが配布されました。ProStream 1000は既に海外では販売されているのですが、会場にはドイツのアパレル通販会社Bon prixによるバリアブルDMの事例も紹介されていました。
ところで、キヤノンによれば「DX(デジタルトランスフォーメーション)により、デジタルインクジェットプリンターの存在価値が変わる」ことが見込まれます。これまでプリンターは、「印刷会社」からのニーズに応え、印刷発注者へ納品される「印刷物」を作成する存在でした。しかしこれからは、プリンターは「デジタルマーケティングを中心にステークホルダー全体からのニーズに応える存在」になるそうです。
では、印刷会社はこうした「新しい存在価値」を持つ輪転インクジェット機をどう使いこなせば良いのでしょう?そのために提供されるソフトウェアやサービスなども含め、商業印刷市場に向けたこれからのキヤノンの取り組みにぜひ注目しましょう!
ブライター・レイター 山下 潤一郎 様
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