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モノクロ高速プリンターの動向
関心高まるコニカの廉価版オンデマンド機
大日本スクリーンは今夏、強力新鋭機を投入


SHOWA NEWS No.88
2000年3月22日号より

長いあいだDocuTechが話題を独占してきたモノクロ・オンデマンド・プリンターの世界が、今年は大きく変わりそうな気配です。

話題のひとつは、 コニカビジネスマシンのオンデマンド印刷機Sitios7065です。
これを設楽印刷機材がカスタマイズしたCleverPress Pro/Ultraとあわせて、メーカー、ディーラーの販売意欲は旺盛で、印刷会社をはじめとするユーザも高い関心を寄せています。
このプリンターの大きな魅力として、DocuTechの3分の1から7分の1でシステムを導入できることが、まずあげられます。DocuTechの導入経費は、ネットワーク対応のミニマムシステムで2000万円台(価格は約3500万円)、多機能システムで4000万円台(価格は約6500万円)と見られますが、設楽仕様のCleverPress Ultraの場合、約600万円の低コストでオンデマンドシステムを導入できます。
なおコニカ仕様のSitios7065の導入経費はCleverPress Ultraの半額以下ですが、運転コストなどを合わせると、両者はほぼ同等のシステムと見られます。設楽の説明では、月間コピー量が21,000枚を越えると、カウンター料金はSitios7065の方が割高となります。
CleverPressの基本的スペックをあげておくと、A3W〜B6からハガキまでの用紙サイズに対応し、印刷速度は毎分65枚(A4横)。フィニッシャー(製本部)を標準装備し、CleverPress Proは平綴じの自動ステイプルができ、CleverPress Ultraは中折りと平綴じ・中綴じのステイプルができます。フォントはPostScript Level 2互換の日本語5書体、欧文35書体を内蔵し、市販フォントの追加も可能です。OSはWindows(95/98/NT4.0以降)、Machintosh(OS7.1以降)に対応しています。
このクラスのプリントシステムとしては、京セラミタ(旧・三田工業)のネットワークによるプリンター管理も関心が高まっています。拠点の関西ではかなり導入が進んでいるようで、東京の市場でも話題になる機会が増えています。

大日本スクリーンの高速プリンターNP-V200は、印刷速度でDocuTechを上回るなど、DocuTechの対抗機種として開発されるもので、昨年のIGASで初登場し、先のPage2000でも参考出品されて、多くの来場者を集めました。5月のdrupa2000に出品後、今夏の発売が予定されています。
印刷速度はこのクラス世界最高の毎分400枚(A4横、両面)、毎分200枚(A3縦、両面)と一般の印刷機に匹敵する出力を実現。用紙は、A4〜A3Wの全サイズに対応。コントローラはPostScript Level 3 RIPを搭載し、印刷エンジンのスピードを損なうことなく、大量ページの電子丁合や可変データ出力を行います。アナログ原稿については、高品質スキャナーNP-S600がオプションで用意されています。国内ではIBMプリンターの市場が伸び悩む中、DocuTechに対抗する最有力候補として、今年最も期待のかかるシステムです。

いっぽうのDocuTechは、他システムと同じ600dpiながら、仕上がり品質は優れ、実績でもすでに世界で数千台が稼働中であり、各種の出版にまで利用されるなど、今のところ信頼感は群を抜いています。一般にこのクラスでは上質なハーフトーンの再現は無理がありますが、その中ではDocuTechは良好な品質を実現しています。ソフトからハードまで、サードパーティの製品も含めて周辺ツールの拡充が進み、この点でも安心感があります。昨年は、データ入出力その他の管理を高度化するXerox Documents On Demand-jも投入されるなど、メーカーの開発意欲も依然として盛んです。

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